バイデン大統領が訪越し、数々の経済的効果が生れそうな気配もあるけれど、世の中そんなに景気が良いという訳でもありません。特に若い人たちへは金が回って来ないというのです。
また最近の若者の傾向として、考え過ぎと過剰な心配の悪循環が続き、無気力に成り劣等感に苛まれている人が増加していると心理学者が言う。こうなると何事も否定的で優柔不断、個人的妄想が強くなってしまう。競争社会が高度に発展するに従い、これに対応できない結果かもしれません。
海外企業が進出し、モノ作りをして国が成長。多くの人は賃金を得て生活して来たけれど、様々な格差が生れ、これがまた拡大する一方です。
能力はあるけれど、大学に行けない。教育の機会均等など無く、学歴がモノを言う。そこに就職の格差が生れ、次第に賃金格差がどんどん開いて行くという社会矛盾が顕著に。何処が社会主義。こんなのいやと言うほど見てきました。
中には副業を始めて成功したとか、起業したなどの話はある。日本よりもこの傾向は強いように思われるが、一つの仕事では食っていけない現実もある。
知人の奥さんは屋台でコーヒーなどを売ったが、原価はそれほど掛からず毎日の儲けは約200万VNDにもなる。しかも日中、夕方には帰宅。並の勤め人よりも自由で身入りが良いので、こうなると旦那をアテにする必要などありません。これ等は殆ど女性、ベトナム女性の芯は強くできている様です。
世の中が進化すれば何かと変化は起きる。ある元実習生は、日本語を活かしてレタントン近辺で日本人相手の飲み屋を開き、彼らが好む一見素直そうな女の子を雇って儲けた、なんて才がある人もいるけど向き不向きは当然あります。
同じ様に現地大卒者が実習生として渡日。帰国後に覚えた知識や技術を実践して起業し、進出日本企業を開拓した。これなど目的があってのことで一生懸命頑張った成果ではあるが、まあ数万人に一人とかの低い確率でしかない。
こうなると真面目が取りえでは浮かばれず、出会った縁とか、運命的な何かに人生が左右されるなんて気持ちにもなります。
しかし株式市場が出来、元手が小さい市民でも金融商品で儲かったとか、利子生み資本で生活など、努力もあるが才覚と言うべきか、時代にマッチして稼ぐ人も増えた。何処でもそんなに居る訳でもないが、好い話だけ聞いて一喜一憂。
博打好きのベトナム人、下手すればスッカラカンが関の山。
ベトナムにも大金持ちはいるし、財を成してビジネス界トップと言う人も結構いる。だが世の中そんなに甘くはなく、巨万の利を得ることが出来るのは真の商才に長けた人達だが、こんな方は陰に隠れて表には出てこない。
所がである。金が無く稼がなければいけないプレッシャーから、多くの若者が慢性的ストレスや精神障害に苦しんでいるとの記事が地元紙にありました。
ある男性など、彼女と別れたショックで大食いならぬITと株式投資を始めた。
最初のうちはビギナーズラック。そこそこ儲かった様だが、ある程度の利益を得られると手慰みと思えばいいのに、そうはいかずに欲が出て来て深みに沈没。
彼のポートフォリオは逆転し始め、雪だるま式に損が膨らんで足が抜けない。
ベトナム株の動きは読めない。恐らくは安定よりも大化け狙いだったのかも。
こうなると素人の怖さ、損を取り戻すため友人から借金。どんぐりの背比べ、結局はコロコロとドツボに嵌ってさあ大変。負のスパイラルに陥った。
こうして慢性的不眠症になり、ストレス解消のためアルコール依存。そうなれば社会から益々孤立し、ぶつくさ独り言を言うようになってもはや破滅寸前。ハノイの精神科でうつ病と診断され入院するはめになったのです。
即ち、なまじ大学を出ているからプライドがある。IT関係にも強く、金融の知識もあるというのが落とし穴。専門家でも本当は分かった振りをするだけ。
別の男性は生活費に毎月5千万VND必要。多い方だが会社幹部の妻は残業が多く毎夜帰宅は9時。日本ならまだ早いが、此処ではとんでもなく遅い時間。
それでも何かと出費があり親戚知人から借金が増えた。やがて夫婦は言い争い、彼は会社を辞めて起業。儲かると踏んだが甘かった。毎月赤字の連続で首が回らなくなったというが、何処も一緒。
ベトナムでは男性が家族の稼ぎ手であり、金銭的負担は男がするべきと言った偏見を持つ家族も多いと記事にある。しかし必ずしもそうではなく、ベトナム女性は結構稼ぐ人は多く、筆者の周りにも、起業するとか、目標を持っている人も多かったと個人的に実感し尊敬する。男がだらしない。
世の中、何処の世界でも女性は早く成長する。一般的に能力は高く、辛抱強くて度胸がある、おまけに語学力も高い、というのは共通点かも知れません。
株式投資は始めやすい。金額が比較的小額の小遣い稼ぎから開始、徐々に大きくできる可能性もある。まだはもう也、もうはまだ也、この鉄則の見極めと、踏切りどころが天賦の才に恵まれるか否か。だが上げ下げは仕組まれたもの。
不動産となればそうはいかない。これがまた難解で、儲かっている人には金が入ってくる仕掛けがある。また開発に関してもインサイダー的要素もあると聞くが、要するに投資家同士、行政も巻き込んだ内輪のコネクションが強いし、桁違いの金額が動く訳で一蓮托生。今回の不動産不況では市場の神に見放され互いに桁違いの損失への覚悟が要ると心得る。
しかし一般人の買い出動は遅く、頂点を超えてから動きだすのでタチが悪い。
玄人筋に甘い汁を吸われてからそのおこぼれに与る場合が多い。まさに目先を間違えると売れる機会が無くなり大損して慌てて衝動売り。素人は長期戦です。
ベトナムでは家を抵当にするどころか、バイクに嫁さんまでがバクチのカタになるくらい。行き付くところは借金。銀行ならまだましだが、高利貸だと十一では収まらなくケツの毛まで抜かれる酷さ。容赦しない。
どうしようもなく離散。不眠症になり酒に溺れ、摂食障害とお決まりのコースを走るのです。引いては自殺を考える危険な兆候が出るのが万国社会で共通。
ハノイの精神病院の統計では患者の約半分が若い年齢の人。殆どが経済的理由からで、その多くはホワイトカラーと言う。HCM市でも同様の傾向で、60%が30歳以下。またこの多くは働き始めたばかりという。
これ等は殆どが金持ちになるという野望に失敗。絶望を感じてしまう。そして株式や暗号資産という浮き沈みの激しい投資で撃沈され一攫千金の期待は残虐にも砕かれるが、まさに白昼夢。幻想を見ただけです。
こうして社会的つながりを失い、人間関係、身体的・精神的な健康などを犠牲にする。目標達成には課題を徹底的に計画、ストレス解消には瞑想やヨガなどが良く、また家族に友人、同僚と話をするように心がけるのも良いとある。
記事を読むと、ストレスは何時の時代にもあるけれど、何か昔と全く違う。
高度に発展した社会の怖さ。相変わらず人は無欲になれず、豊かになりたいと挑戦するが、行きかう百代の過客。希望をたずねても簡単に破れる儚い代物。夢は追いかけるものとは教科書にも出る歌詞か、若者の特権だけかも知れない。
夢洲、此処にカジノが出来るとか。だが兵どもの夢の後となる人も出て来る。これを見越して依存症なる病のため施設を造る気配。健全な考えがあれば止めればいい。様々な規制を掛けても何れは問題が起きるのはこれまでの社会常識。
全財産を投入して溶かしてしまう人が居るのも世の常。実は収入の多くは日本人からで、70%というカラクリ。結局外国人目当てではなくなったのです。
メリットばかり誇張、大阪維新は万博建設費高騰の責任を転嫁。さらに一般人を踏み台にしたギャンブル加担で企業を儲けさせてまでテラ銭を得たいのか。
ベトナムは一部のホテルで認められたが外国人用。国内カジノで遊べないベトナム人はカンボジア国境側で(出入り可能)賭け事に夢中になる。此処で働くスタッフの多くは連れ去られたなどで強制労働。一歩間違えば犯罪の温床。
賭け事なんて所詮胴元が儲かるようになっているのに、どうしても分からない。
株とカジノとは一緒に出来ないにしろ、多くの人の人生を狂わし、家庭や人間関係を壊し、不幸にする諸悪の根源。世界各国でも実証されているのです。
株式会社VACコンサルティング 顧問
(IBPC大阪 ベトナムアドバイザー)
木村秀生