日本企業の製品が選ばれる理由②

2021年8月24日(火)

・年間1億本も中国に輸出されるボールペン

日本の文具は世界中で人気があります。カワイイし機能性に優れ使って便利。ベトナムでは子供の土産にもいいし、大人にも高級ボールペンなども嬉しいと喜ばれます。田舎に行けばなおのことお目にかかれません。
消せるボールペン。これは実はベトナムで造っていると聞いたことがあるが、里帰りだと知らずに大喜び。他の子供が持っていないので鼻が高い。また様々な消しゴム。食品やオモチャなどをモチーフ。だがベトナムでは鉛筆を使わずボールペンで筆記します。なので、使うことなくコレクション。

中国は日本から毎年1億本のボールペンを輸入しているとの記事。この理由、最大の強みはスムーズに字を書けるからだそう。横文字は滑らかさが一番大事なのだが、タテに続け字を書く時も理にかなっています。だが学生にとって、画数の多い漢字を書くこと自体ストレスになるというのだからなるほど合点。
万年筆は漢字圏とそうでない言語で書き方に差があるとかで、ペン先の工夫が違っているのだとかを聞いたことがあります。かつては中学生になった証でもあったが、パイロットでスタート♪より、僕の日記プラチナ♪が好きでした。百貨店でバイトをしていた時、仲良しの店員が割引で売ってくれた思い出が。
さてボールペン。書き味だけではなく国産品は文字を書いていると何か引っかかった感じだし、インクが滲むとかダマになる。半分くらい使うと書けなくなるという苦情が多いのだという。インクは半分以上も残ったままの状態が多く、不良品にしょっちゅうあたる。これでは嫌になって当然です。
これはボールの精度の違い。こんな所にも技術の差、匠のワザが光っていて、インクの差もある。国産の2~3倍もするのに、こんな心配をしなくても済む日本製が人気だという。結局は高くても一緒、コストパフォーマンスが良く、使っていて気分が良い。機能だけでなくデザインもいいし、商品ラインナップも多彩、多種多様。売れない訳が見つかりません。

ベトナムにも国産品があって本屋などにはケースの上に置いてあるが、日本製は後ろのガラスケースに保管。ご丁寧に鍵を掛け、その都度出し入れします。
ベトナム製も安くて学生などは普通に使っている。しかし一旦、日本製を使えばもう使えない。太細の種類は多いし、綺麗に書けるので誰もが欲しくなる。
国産品は中国製とほぼ同じ状況なのです。
因みに土産にする時は青色が良い。学校や仕事でも、行政で使う書類にも使用するのは青。日本人の感覚なら黒だが、折角なら間違わない様に気遣いを。

・ベトナムで使う農業機械 日本製が圧倒に支持される

ベトナムの農業、かつて農地を耕していたのは水牛。車窓から水を張った田を均している農作業の光景が未だ眼に残って懐かしい。ある日本人が貧農出の嫁と結婚する際に、両親にせがまれたのが水牛という話を本人から聞いた程です。
機械は欲しいが、高くて個人では買えない。今はこんな時代から各種農業機械を使うように変化しました。
ちょうどこうした時期、ビンユン省・ベカメックス社の工業団地に進出したのはクボタ。数年前になるか、国内販売はもとより地政学的に見て将来の需要を見越し、アジア各国へ輸出するため工場を先行建設したとの記憶があります。

中国のサイトにベトナムの農業機械販売店を在住中国人の営業担当が訪問した時、ご丁寧に動画を撮って配信したのだとか。
これに拠ると、訪問した販売店2軒ともが店先にある看板に「100%新品のクボタ」とあったと紹介していると言うのです。流石にベトナムらしい表現。
置いてあったのが日本製の耕運機用のディーゼルエンジン。クボタかヤマハ製。これは如何に日本製品が信用されているかの証拠。農業の現場でも最も使われ、品質が高く支持されていると伝えています。
実際は中古品が最も売れるそうだが、それでも良い状態に保たれて外観もいい。内部を確認するとどの箇所にも不具合は見当たらずきれい。オイル漏れなどもなかったというほど精巧に出来ていたと驚きがコメントにある。
国道1号線沿いには外国製の中古建設機械を扱う会社が何社かあります。その一社を見学したが、敷地内に何台かの農業機械が置いてあった事を思い出した。農機具専門店でないので種類は多くない。ベトナムは米作りが年2~3回可能。だが農作業はきついため今後需要が伸びると話していました。
こうした機械を買える層は、ミドルかハイエンドの比較的富裕客だというが、郊外にある国道沿いの田畑では、このところ農業機械を使って仕事をしている姿を見かけるのも珍しくありません。個人で保有する農地はそれほど広くなく宝の持ち腐れ。また所得から見ても買えるだけの資力はない。中古品であっても何人かで金を借りて共同購入していると聞きます。

さて件の投稿者、中国製はないのかと店主に聞いたとあります。彼は日本製に比べて壊れやすいと言ったそうで赤恥。此処にも日本製の品質が信頼され壊れにくく修理も要らず長持ちするのが良いと、車やバイクなどと同様ベトナムでも価格の安さより品質重視が重視される時代にあることが分ったという。
そういえば、メコンなどの運河で走る小舟やボートのエンジンも日本製が使われています。

株式会社VACコンサルティング 顧問
(IBPC大阪 ベトナムアドバイザー)
木村秀生