国際的に注目を集めるミャンマーのコーヒー

2018年12月20日(木)

最近、ミャンマー産コーヒーの国際的な評価が高まっています。
2017年11月に中国で開かれたコーヒーの展示会では、ミャンマー産コーヒーの品質と味覚が、48か国・地域中2位になりました。

生産量はまだ少ないのですが、ミャンマーコーヒー協会がアメリカで積極的にプロモーション活動を行うなど、輸出の拡大も期待されています。

そこで今回は、ミャンマーのコーヒーについて、ご紹介したいと思います。

ミャンマーにおけるコーヒー生産の現状

国連食糧農業機関(FAO)の統計によれば、ミャンマーにおけるコーヒー豆の生産量は、年間8,474トン(2016年)。1936年の268トンからは、約40倍にも増えています。もっとも、世界第2位のベトナム(1,460,800トン)と比べるとわずかですが、高地が広がる北部のシャン州やマンダレー周辺など、コーヒー豆の生産に適した地理的条件が整っています。

ミャンマーのコーヒー栽培の歴史

ミャンマーにおけるコーヒーの栽培は、19世紀に始まったとされます。

1885年にキリスト教宣教師が、当時のビルマ南部のタニンダーリ州とカレン州にロブスタ種のコーヒー豆の栽培を導入したのが最初。そして、1930年には、別の宣教師が、シャン州などにアラビカ種のコーヒー豆を植えたそうです。

東南アジアの大陸部、例えば、ベトナムの多くの所では、ロブスタ種が栽培されています。
一方、ミャンマーのコーヒー栽培地は、比較的涼しい高原にあることが多く、アラビカ種の栽培が主流とのことです。

日本企業も注目

ミャンマーでは、コーヒーは、将来的に輸出拡大が期待されている農産品の一つです。現在、年間約1,000トンのコーヒー豆が輸出されています。
2016年に、アメリカによる経済制裁が全面解除されたこともあり、アメリカへのミャンマー産コーヒーの輸出が増加しつつあります。

ミャンマーのコーヒーは、日本企業も関心を寄せています。
今年2月には、キーコーヒーの柴田裕社長ら全日本コーヒー商工組合連合会の視察団が、マンダレー管区のピンウールウィンの農園を訪れるなど、近年、一段と注目が集まっています。

こうした背景から、ミャンマーでは、品質改良や生産拡大などに意欲をみせるコーヒー農家や企業もあるようです。