卵 についてのお話

2020年7月23日(木)

あるタレントが海外から帰国した時に、何を一番先に食べたいか?と聞かれ、即座に卵かけご飯と答えていました。これが現地へ移住とか、長らく駐在している方なればなおさらのこと。
成る程。確かに在住日本人が食べたい日本食は本物の海苔、納豆、味噌、玉子料理、漬物や刺身などが挙げられますが、流石に郷愁の生卵には誰しも納得。
日本食品を扱う店は海外にも多くなり、少々値段が張るとか、好みの商品が無いのは致し方ないとしても、ベトナムではほぼ購入可能です。
いわゆるハンドキャリー。これを生業にする人も居る位で、現地で到底賄えない高級で新鮮な蟹や寿司ネタも運んでくる。金さえ出せば食べられる時代です。
またベトナムでも納豆や味噌は現地で日本人が製造。私が一時帰国した時など、知人から納豆菌を調達して欲しいと頼まれたことがあります。
蒟蒻や野菜では牛蒡とか、日本固有種の茗荷やジュンサイも日本へ帰国した人が持ち帰って、知人にお裾分けするほど貴重であった思い出があります。
食は贅沢になったと思いますが生卵だけは如何とも得難い。日本人は渇愛とまではいかないが海外で簡単に食べられないのが淋しく感じます。
何として口に入れたい生で食せる安全卵。メコンの方で養鶏している人がいて、HCM市で日本人の食品店で売っていた記憶があります。
確か一個が1万VND(約50円)位だった様ですが、何しろ超高級品。終ぞ買うことはありませんでした。
この生卵、最初に食べたとされるのは江戸時代後半、180年程前とのことで、昭和になってから日本人の食卓に上がった様な事を聞きました。それほど古い食習慣では無いみたい。だが今ではすっかり日本だけの食文化。国民的ソウルフード。日本全国に卵かけご飯を目玉にしている所があり、何個でもOKとあるが、実際にはいくら何でも3個くらいでギブアップ。専用の醤油もあるけれど、生醤油が一番。しかし外国の方は初めて食べるのには勇気が要り、勧めても無理でした。
私はと言えば、露店で朝採れの新鮮な卵1個2500VND(13円)を買いました。1個でも売ってくれるので便利だが、これは火を通さないと危ない。卵が持つサルモネラ菌が付いている場合があり、目玉焼きか、だし巻き玉子、プレーンオムレツにしていました。
物の本に拠ると1~2分ほど火を通せば安全と書いてありますから、美味しいとされる目玉焼き(サニー・サイド・アップ)に醤油を垂らすのが関の山。
ベトナムの家庭で目玉焼きを見たことはなく、両面を固めに焼いている。
これはホテルでも同じ。オムレツを注文するとパンに油をたっぷり注いで具を炒め、溶きき卵を落として両面を揚げるように強火でしっかり焼く。ベトナム人は半熟が嫌で食べられないため焦げる手前の固い目が普通。これに香辛料とヌックトゥーン(ベトナム醤油)をかけます。
だから日本で人気、ふわふわ玉子のデミグラスソース・オムライスはほぼダメ。
あのドロッとした食感がいけません。玉子料理は存外に難しい。スクランブル・エッグは炒り玉子状態、サニー・サイド・アップは黄身がカチカチだし、綺麗な黄色の錦糸玉子や出し巻きを作れる繊細さはありません。
シャンソン歌手だった石井好子さんが書かれているように、本来オムレツは卵だけで作るプレーン。これに玉ネギ+ミンチを入れるのは日本人のアイデアで、さらにご飯をケチャップで炒めて包むオム(VN語で抱くという意味)ライスもその延長。90年前の大正14年、大阪の名店北極星が胃の具合のよくない得意客のため考案したのが始まりですが、このアイデアの閃きと顧客への思いやりは大阪人ならでは、新しいもん好きと新商品開発魂のなせるワザです。
だがハノイで人気と言われるエッグコーヒー。卵の黄身だけをミキサーに掛けてねっとりさせ、濃いベトナムコーヒーを注ぎますが、これがOKなのは?
黄身はエサが違うのか日本と違って黄身はやや白っぽい。アレコレ差別化したものは無く、知恵を絞って商品企画はしない。スーパーでも値段は余り変わらないが12個、10個、6個の赤玉パック入り。日本のような安全な製造過程を踏んでいるのか?どうか知りません。パックには表示はないが、殻に日付が印字されていました。これは露店にはありません。
日本では厚生労働省が定める衛生管理要綱があり、大手卵メーカーでは鶏舎へ担当者しか入れない。入る前には消毒をして完全装備。卵は機械で自動集荷して洗浄から傷の有無、大きさを管理、パッッキングもほぼ自動とか。
衛生面への配慮はただごとではなく、パックには2週間の消費期限が印字されています。
ついでに卵が原料のマヨネーズ。日本製品は酸味が程よいが、アジア製は油っぽいのが特長。キューピー、味の素(現地でも生産)などが無ければ少々酢を入れると良い。玉ネギ、ゆで卵を微塵切りすれば即タルタルが出来ます。
こんな話題を書くと商店街にあるたまご屋の息子で小中高同級生が夕暮れ時、店番しながら売っていた姿を思い出します。

株式会社VACコンサルティング 顧問
(IBPC大阪 ベトナムアドバイザー)
木村秀生

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