日本人観光客の特徴 一目でわかる② 日本では観光客増加の弊害が急増

2024年2月22日(木)

・買い物大好き日本人だが

とにかくブランド大好き。買物はベトナム人も共通する事で家族・親類に友人・知人へのお土産に没頭。だが本当に自分が気に入った物とか、其処でしか手に入らないモノならむしろ買うべき。後で後悔するので買い惜しみしないこと。
だがパック旅行などで現地ガイドが勧める所は必ず割り戻しがあるのです。
これは日本人の経営であっても同じ。だから我々などは顔見知り、大幅に安く買える訳です。幾つかは知り合いの店舗があったけれど、一切貰わない代わりに来越客へは安心価格で喜んで戴きました。
語学が余り得意ではないから、NOと言えない日本人。コミュニケーションをほとんど取れずに買わされる傾向は強いが、曖昧に答えることはいけません。

・抱える問題点

今では機械で翻訳が出来、道案内もしてくれるけれど、これ等に頼り過ぎるのもどうか。オマカセ定食も良いけれど、未知の領域へ踏み込む努力も必要だし、自分で企画しプランを練り、アクシデントがあれば適時修正する。そうすれば新しい発見があるハズだし、数をこなせば経験も増えてくる。
この所、来日観光客が急激に増加、狭い京都ではいい加減にして!と言いたくなるのが地元の生活者。喜ぶのは観光に携わる人。神社仏閣も外国人がやたら多くなったが、特別信仰心があるわけでも無く、単なる観光施設でしかなく、異文化体験の一つでしかありません。
筆者が利用する南海高野線。特急には外国人が半分以上乗車し、この高野山で宿坊への宿泊者が目立っている。紀州熊野詣でも世界遺産へ来るだけ。
何れの境内でもせめてしきたりは守って欲しいけれど、全くそういう気配など無く精神修養かハイキング気分。アジア圏の団体などガイドが旗を持って説明誘導しているが、参道に立ち止まり、群がっては迷惑千万。
日本のおもてなしとか、日本食の美味しさに四季の自然の風景の美しさは南北2千キロ以上あるからこそ。都会は何処も一緒と、この所は地方に人気がある。
こういう傾向は個人リピーターに強く出ており、よりディープでリアルな体験を重視する外国人が増えていることは確かです。
日本人がベトナムを訪問した時、ベトナムの一般家庭料理を調理できるツアーを組んだ旅行社があるけれど、余り参加が無かったようでこの所は立ち消え。SNSで容易に本当の穴場や独特の文化を見つけられるご時世だが、外国人が積極的に取り入れているのはこうした異文化体験型旅行です。
こうした人に真の姿を喜んでもらえるのは嬉しいけれど、旅の一番の醍醐味は実際の生活文化を知り生活者との触れ合い体験であり、有名観光地巡りが一通り満足、卒業できたなら個人で開拓してカスタマイズすることに尽きます。
ベトナムでも最近は田舎や山間部での生活密着ツアーに人気が出て来ており、変化が見えて来た。これが地域経済を豊かにしているともあります。
しかし日本のように無制限で国立公園への入域を認めるとか、甘えた外国人が登る富士山(地方の山岳でも増えている)などへの登山規制は環境保護、無防備で無茶振り遭難など人的被害を避けるために必要なのに未だに実施しない。
民間の救助に切り替え、かかる費用は自己負担にしなければ、SOSを発信しても平気でキャンセルする失礼な輩も実際に出て来ているのが実態とある。
政府観光局などは外国人観光客の入国人数目標と観光収入を目安にしているが、これは間違い、先進観光国が洗礼を受けた問題のケーススタディーを学習せずまさしく役所の縦割り行政。在住者の迷惑を考えず野放し。頭で考えるのではなく、自らが彼の地の生活者として酷さを体験するべきです。
ベトナムの有力紙に拠れば、日本政府観光局(JNTO)が目指しているのはベトナム人富裕層の取り込みに力を入れているとある。彼らは未だに来日すれば旅行支出が大きく買い物が大好き。持ち帰る日本土産も相当なものという。昨年の旅行消費額は前年比約38%増の1211億円、2,3%との統計がある。
多くのベトナム人よりも、総数は少なくても富裕な人達の誘致を開始したいとトイチェ紙に語ったというが、これは本音以外にないけれど極めて失礼な話。 JNTOは富裕層にハイエンドの観光商品やサービスの紹介を加速するという。
だがイギリスのナイト・フランクが毎年発行しているウェルス・レポートでは、ベトナムの超富裕層は2006年から10年の間に320%もの急増が見られ、JNTOは世界でも潜在的な観光源国と位置付けており、高所得の人を目当てにターゲットとして観光開発戦略を展開しようと目論んでいる。実際にとんでもない金持ちが居るものだが、こうした人が乗ってくるなど考えられません。
京都は超高級ホテルばかりが建設されており金目当て。何れしっぺ返しが来る。
超過密、狭い洛中のオーバーツーリズム。もはや錦などみっともない喰い歩きを助長。道が汚いだけで値段が吊り上がり、日常の生活で必要な買い物が出来ず歴史ある老舗は急減した。生活圏に土足で入り阻害する行為は慎むべきです。確かに商店街は外国になく面白くて興味は沸くけれど、劇場ではありません。
外国人観光客の目を郊外に向けさせ、西山方面へと分散する計画があるとかだが迷惑千万な拡散計画は止めて欲しい。交通手段がバス便しかないため、こんなことをすれば地元住民は乗れなくなるのです。
ただでさえ日毎増加する観光客ゆえの列車・バスの過密。大きなスーツケースを持ち込むなんて厚顔無恥の行為でしかありません。まして敬虔な寺社でさえ、
祈りの場ではなく単なる建造物。厳しい規制が必要です。

株式会社VACコンサルティング 顧問
(IBPC大阪 ベトナムアドバイザー)
木村秀生