味覚の秋が真っ盛り、どの店にも豊饒の幸が溢れます。この時期、林檎、梨、柿に栗、葡萄等が出回り、寒暖の差が大きい程おいしさを増して綺麗に色付きます。四季を感じられないベトナムなのでせめて果物で想って貰えれば幸い。
現地でも買えますがバカ高で種類も少ない。サンシャインマスカットが1キロ2万円。林檎3300円、梨2800円、ハウスミカン5個が2000円など、とんでもない高級品だが良く売れています。ところが日本産は値段が高いので、日本から種を持ち出してパクリ栽培した韓国産がHCM市内の果物店で増えています。日本産より30%は安いのが店頭に並んでいて、一回り大きいのだが味は雑で甘くはなく、かなり日本産と品質面で劣ると農業専門家が話します。いくら日本のタネを使っても栽培方法、摘果の技術などが異なる。また一番美味しい大きさで管理し出荷しているため、山梨の葡萄酒メーカーが実家で農大出の彼は同じものは出来ないという。またりんごも中国産のフジが主流になっていますから、日本産は余計に喜ばれるのです。
日本の果物は安全で新鮮、甘くて大きいので喜ばれる。持って行くには若干重たく、生物なので早く渡さないと傷んでしまうのが少々難点だが、プチプチと新聞紙でしっかり包み、箱に入れるとまずは大丈夫。飛行機の荷物室は温度が低いので移動中は全く問題ありません。
秋に一番喜ばれるのがこの果実。中でも葡萄が一番の様で、幾種類か味比べをして頂きます。また品種が増え味などのバリエーションがある林檎に梨、柿なども初めて口にする品種が多いので大喜び。皆で分けて食べると言いますが、果物だけに、自慢のタネ。喜んで貰えるのが一番渡し甲斐があります。
日本土産は此処でも大人気。キレイ、使い勝手が良い、美味しい等々。菓子類は現地でも明治にグリコやロッテなど売っているが、その多くは日本製品ではなく海外の工場で製造されたもの。会社の出張で無難な品物を空港で買うのも時としてやむを得ませんが、相手が喜んでくれそうなモノは何か。最近は舌が肥えて旨味が分かる様になっていますから適当に選ぶのはダメ。見識を疑われますので少々考えたいものです。
友人知人なら、仰々しい箱入りや奇麗な過剰包装よりレジ袋でもOK。選んだ気持ちが大切なのです。百貨店の景品のバッグはオシャレで結構人気があって、これに入れて渡すと皆さん大喜び。幾つか、思い付いたものを挙げてみますが、
しかし、一番肝心なこと。ベトナム人は「贈るモノより、贈り方(心遣い)」が大切だといいます。
・北海道人気トリオ
外国人に人気がある北海道。最近は関西空港内の店にも置いているのでかなりポピュラーな商品になっています。
帯広の六花亭のマルセイ・バターサンドは人気。本家本元・元祖は東京・代官山の小川軒のレイズンウイッチ。だが東京でのランクに入ってなく買いにくいのが難点。あほの一つ覚え、トウキョウみやげ丸出しの東京ばな奈に軍配が上がるが、幾種類もあるバナナの生産地ベトナムです。
関空でも買えるのはロイズのチョコかチョコ・チップスを持って行くとこれが大好評。HCM市の高島屋でも買えるのだが、値段は35万VNDとほぼ2倍。ピュアな板チョコは厚くて大きい、シンプルな味で美味しいけれど、残念ながら関空には置いていない。
白い恋人はこのところ誰もが知っていてポピュラー。これは関空のショップで買えます。横に並ぶのがサスガ、大阪の恋人!
チョコレート菓子での注意。年中気温が高いため、チョコが融けてベトベトになるので扱いにはご用心。
・ジャパン・スイーツいろいろ
日本の菓子はどれもが美味しいと喜ばれます。大手メーカーの一般的な菓子から専門店のものまで、どれをとっても文句なし。
韓国ロッテの菓子もスーパーで買え、ローカル企業のパクリ菓子も陳列に並んでいてネーミングも日本的ではあるけれど、チョコの滑らかさ、焼菓子の風味、クリームの美味しさなど全てが違います。子供には不二家のミルキーにグリコのビスコやポッキーが大受け。全体的に抹茶を使ったものが人気で喜ばれる。
和菓子では饅頭や三笠が美味しいと評判。香ばしくて柔らかいカステラ風の皮と餡が気に入る様です。ベトナムの小豆は硬くて小粒。だから好まれるのか。
現地で滋賀の叶匠壽庵があって奇麗な和菓子だけれど高級過ぎて買えません。
・ある人が堺の立派な包丁をお土産に
これもいいのですが、料理法が違うので料理人なら嬉しいけれど、一般家庭には不向き。ベトナムの包丁は殆どナイフか中華仕様。砥石もあるがイマイチ。
相手の事情や文化を知ってから選ぶのが良い。
株式会社VACコンサルティング 顧問
(IBPC大阪 ベトナムアドバイザー)
木村秀生