毎日新聞に掲載された記事に拠ると、日本で外国人の住民が約10年で1,7倍にとある。住民基本台帳に拠れば国内の外国人住民は2025年1月時点では約367万人となり、これは10年前の2015年末の206万人に比べて、1,7倍に増えたとあります。
東京都内でも外国人の住民は増えているとし、同じく2025年1月時点では72万人と10年で41万人から急増し、都民に占める外国人割合は5,15%となり、これは全国平均の2,96%より高くなっている。最も多いのは中国人で約28万人、韓国、ベトナム、ネパール、フィリッピンと続きます。
増えた背景は政府の施策であり、2018年に労働力不足を理由に外国人就労受け入れを打ち出したことに拠るもの。
2019年には特定技能という新しい在留資格を創設して、人手不足が深刻な14業種で外国人が働けるようになった。都内には約24000人がこの資格で滞在しているとある。他にも実習生や「技術・人文知識・国際業務」などの資格で外国人が働いていると説明しています。
また都内だが、留学の資格を持つ外国人は、この4年間で約7万人から約14万1000人に増えたとしている。
そこでこうした外国人と日本人が一緒に暮らすため、何が必要かを検討中としているけれど、東京都では「都多文化共生推進指針」を作成し、多様性を活かして全ての都民が安心して暮らせる社会を目指すとしている。だが言葉や教育、福祉の面では課題も残っており、ごく初歩的なことを記事にして説明している。
言うは易し、行うは難し、で、実際に首都であり多くの国から沢山の外国人が集まって来ているけれど、さてどのように理解を求め、具体的に実施するのかが問題なのです。
また読売は外国人の東京一極集中傾向が強まっているとし、総務省の人口移動報告に拠る令和6年の東京圏への転入超過は過去最多16,506人に達した。これに対して大阪圏は795人、名古屋圏は7,339人の転出超過。高い賃金を求めて外国人労動者が首都圏に集まっている。育成就労制度が実施されると東京圏へ一極集中が加速する可能性があるとするが、では何故この様な傾向となるのか。地方は製造業の割合が高く、第三次産業を含め職種の幅が広い東京圏は選択肢が低いとみられる。この傾向はベトナムでも同じで大消費地である大都会への強い憧れと現代的生活という儚い錯覚だが、実際の生活環境が彼らに適合出来るか、それに見合うだけの能力と収入があるのかは疑問です。
企業の人出不足から外国人労働者のニーズは高くなっているが、この様な状況から、地方で如何に定着することができるか、その取り組みが課題となる。
政府は28年度から外国人労働者の上限を123万1900人とする方針を明らかにした。介護や建設など人で不足が深刻な16業種に3業種を加えて19業種の分野が対象としているが、もはや外国人の労働者無くして仕事は不可能。
2019年に始まった特定技能1号は2025年6月時点では約33万人と、上限の82万人からしても目標にはるかに達していないのが現状。また2号は熟練した技能を持つ者とされ、家族帯同が可能、しかも無期限で就労が出来るとなっている。だがこれにしても僅か3000人と振るわないのが実情です。
また現在の技能実習制度は逃亡などの問題があり、2027年4月に廃止され育成就労と名称が変更されるというけれど、単に名前が変わるだけで果たして問題の根本的解決になるのだろうかは極めて疑問視されるところです。
現政権にとっては外国人政策の中で背に腹は代えられない苦渋の決断であったかもしれないが、こういう施策を講じたとしても、エッセンシャルワーカーとして外国人労働者が急増する訳でないのは物理的に明らかなのです。
まさに絵に描いた餅に過ぎず単なるパフォーマンスになる可能性は高いとみる。だが此処まで考えなければならないという非常事態であるということに変わりありません。これを一般国民はどのように捉えるのかだが?ある意味、政府は嘘をついてきた、議論すらしなかったと考えている。
・日本の移民大国化が止まらない
これは日本のネットに掲載された問題提起でもあるが、実は日本は居住永住型の労働移民は世界3位という衝撃的な数字がデータとしてあるというのです。
これまでにも書いたけれど日本政府は「移民政策は取らない」としてきました。
ところが実態は移民政策がどんどん進行していると考えざるを得ないとされる。
もちろん3カ月以上その国に滞在していれば、国連は移民と称するので、この辺りの認識の違いは期間に拠って異なるけれど、一般市民が考える移民とは、そういうものでなく、生活者として共に居住する地域を構成する家族を持ち、仕事があって子供が通学している。選挙権があり社会保険支払いなど市民としての義務を履行。また国籍は違っても、市民としての権利を普通に享受できる、という風に捉えるのが一般論だと考える。
移民とは、実は短期滞在型と永住型に分類されるとあるけれど、この記事は国の人口問題の機関の担当者が出しているから正確で、かつ深刻といえます。
では一時滞在とは何かだが、これは実習生、企業内転勤、留学生が該当する。
実習生は3年間滞在が基本。だがアメリカではこの種の労働力は季節労働者として農作業などに従事する前提なので極めて短期間。一時的に大量入国しているので、表向きは日本よりはるかに多いけれど、滞在が短く限られている。
意外にも国内外企業など企業内転勤に拠るものが日本は多くて、統計によると2023年度で8443人とアメリカ、イギリス、カナダ、ドイツに次ぐ5位。
日本にとっても彼らの高い経営管理能力や技術スキルは欠かせないものとされるが、特段認識されていないだけ。TVで時折紹介されるが一等地の高級住宅に住む高給取り、憧れのリッチな生活をしている彼らなのです。
また留学生、中曽根政権は5万人の海外から留学生を日本に招聘するとしたが、全く低い水準でしかなかった。福田政権時には10万人留学生計画が発せられ、員数合わせで活躍したのが日本語習得のためのリュウガクだが、本来の目的である高等教育を行う大学や院ではなく、何処まで真摯に学習するか分らない。
留学生はイギリスが46万人と1位で、アメリカ44万人、カナダは35万人、オーストラリア23万人と続き、日本は5位約14万人となっており、非英語圏で実に1位となっている。フランスでさえ10万人、ドイツも6万人という中で人数だけ健闘していると言えなくありません。
だが永住型移民となれば、日本は労働移民の内25%がこれに該当すると云われ、イギリス、カナダに次いで多い3番目となっている実態が浮かび上がるのです。
これらを考えると、日本は移民の受け入れが、例えば日系ブラジル人などや、実習生、アルバイト目的だけで入国している留学生など、本来の労働者として目的とするものではない歪な日本の制度が原因と思って間違いありません。
日本人がやりたくないとか、嫌悪するエッセンシャルワーカーとして、さらに言えば単なる低賃金で働く労働力でしかなく、何れは帰国するので使い捨てに近い形で受け入れて来た責任がある。
それにも拘わらず、さらに相手国の労働政策を知りながらも加担、能力があったとしても殆どは中途半端な扱いをしてきた訳です。そこで言い訳として政府は移民政策を取らない、とまで言い切り、外国人の定住化を認めない方向としたが、もはや高齢少子化の中では卓越した熟練技能労働者が少なくなり、伝統技術の伝承や継承が出来ないと慌てふためいた結果、生み出されたのが苦肉の策である特定技能制度なのです。
またこうして一緒に入国した外国人の家族は、家族移民とも称される。または国際結婚で呼び寄せる両親なども、何れの国でも共通するけれど、家族移民として、労働移民のような形態でなく、政府の政策や法に基づいた可否で決められない非裁量的移民として存在する訳でこれは身近にも沢山いる。
さらに筆者の知人の様に、国立大学(院)に留学後、そのまま日本企業に就職。日本人と結婚して家族を持つ。これもいつかは国籍変更の条件が難しくなるとされているけれど、だが何れは家族が増えるのは今の日本に取ればプラス要因として捉えるべきであり、日本国民に一人として権利を得る事になる訳だが、元々持っている語学力や国際センスを活かせば大きな戦力になる可能性を秘めていると思えます。
グローバル化が叫ばれるけれど、今でも有名な老舗企業でも意外に浸透していない。特段これに違和感があるかと言え表向きはそうでなく、徐々に慣れて来る状況にあり、殊更外国人という縛りを自分から持たない方が良い。
何時か彼らは、企業、日本の真の国際化に貢献してゆくものと考えられます。
株式会社VACコンサルティング 顧問
(IBPC大阪 ベトナムアドバイザー)
木村秀生