ベトナム産果実

2026年8月16日(日)

・マンゴスチン 今年は豊作

南国の果物の女王とは何でしょうか。日本にはまだ入って来ていないと思われる果物だが、マンゴスチン。ベトナムではマンクットと呼びます。
皮は赤黒色で厚いけれどそれほど固くなく、爪で周囲を突けば簡単に真っ白な果肉が現れる。酸っぱさはほとんど感じず甘くて気品があるのだが、ベトナムでも中部にはなく人気があって土産に持って行ったこともあります。観光に行ったならホテルのビュッフェでデザートに出て来るので是非お試しください。
さてこのマンゴスチン、今年は豊作だとか。しかしこうなると価格は下がる。
南部の農家では1キログラム25,000VND(約0,9ドル)で販売しているが、供給が過剰気味でここ数年で最も低い価格というのでまさに豊作貧乏。
旧ビンユン省(現HCM市)でマンゴスチン栽培をしている農家は、今年70本保有する木に5トンもの実がなりこれを収穫するのだが、昨年よりも20%収穫が多いと予想している。
市場では3月の此の果物のシーズンが始まる時点で早くも20~25%価格が下落しており、何処の栽培農家でもほとんど利益が出ないと泣いているという。
肥料代に労務費が上っているから、昨年と同じ値段という訳に行かないのだが、生産農家の収入は実質的に目減りしている。
だがHCM市の販売店では今年は仕入れが容易になったので、毎日数トンずつ購入していると言い、売り上げは前年比30~40%上昇してホクホク。何とも羨ましい限りです。
HCM市の果物店や路上店では価格が1キロ当たり35,000~60,000VNDにまで下がっていてまさに食べ時、買い時。この他にも好天気であったのでドリアン、マンゴー、ドラゴンフルーツなども収穫量は増えているとしています。

・ライチ 不作で昨年比ほぼ半分の収穫

楊貴妃が好んで食したというライチ、何とも言えない甘さと香り。日本では冷凍ものが多かったけれど、最近は生のライチも買えるそうとのこと。味は全く違うので機会があれば生の果実を味わっていただきたいと思います。
ベトナム産ライチは中国に大量に輸出されており、これが中国産となってお口に入っているようだが、実はベトナムで採れたものが多いようです。
このライチだが、主な生産地は北部にある。だが今年は天候が悪くて35%、場合によっては50&も減産とニュースにあり、55,000ヘクタールの農地から採取できる量は85,000~90,000トンと見込まれるようです。
最大の生産地であるバクニン省は約30,000ヘクタールだが今年の収穫は目標の60%弱で95,000トンあればいい方、昨年比では55%とある。
収穫量減少に伴い価格が上昇し、農場渡しで1キロ50,000~95,000VNDとなっており、小売店であれば210,000VND程度とあります。
不作の原因は作物生産・植物保護局に拠ると、暖かかった冬と2・3月の長引く霧雨が開花過程を妨げたと指摘。また開花が均一でなかった事で収穫率が下がったとされます。
中国でも主要生産地は同じ傾向にあり、昨年は農作だったけれど今年は自然的な収穫量が下がるサイクルにあるとされます。

また種なしライチもあるけれど、飽き天候のためこれも生産量が大幅に減少し1キロ当たり約800,000VNDとなっているが、これは知らなかった。
HCM市内の果実店では今年ほど仕入れが難しい年はないと感じており、最も高価な希少な種無しライチになったという。
高値にも拘らず客からの事前注文は多く、その多くは事情を話して断らざるを得ないという。客も幾つかの果物店を回ったけれど何処の店でも手に入らないと断られ、見つからないという。
この減収穫の原因は悪天候と言われ、果実を付ける段階で長期間の暑さ、雷雨に見舞われ大量に落花したのです。ライチ生産する北部の省では何れの地域でも花芽の分化、開花、果実の結びつきに影響を与えたとあり、極端な事例では収穫が僅か10%しかなかった所もあるという。
この様なことを知らない消費者に、悪徳業者が種無しライチと宣伝して売られている事件が発生しているので、注意する様に呼びかけている。

・イチゴ 輸出が急増中

イチゴの栽培はかつてダラットでしていた。市場に行くと朝採れの新鮮イチゴが買えたけれど、小粒で固くて酸っぱい。これを加工しジャムと称して売っていたが砂糖漬けの様で美味しくもなかった。日本から土産に持ち帰ると大きくて甘いいので喜ばれたが、在日ベトナム人も大量に機内持ち込みしていたほど。
そこである日本人が栽培を始めたところ好評。イチゴとはこんなルビーの様なものだと初めて分ったのです。
今年2カ月間のデータでは輸出量が340万ドルと前年の2000倍になったとのニュース。にわかに信じ難かったけれど、中国、韓国、日本に対、中東、EUに送られたとある。だが冷凍、フリーズドライに加工されたもの。主生産地は中部ラムドン省170Hrと北部ソンラ省の600Hrで栽培され、何とG-GAP基準を満たすというから尚更驚いた。
また最近はハノイ市でも50Hrの農地で17人の組合員が栽培を始めたあり、ワインやシロップなどに加工されているとか。これをHCM市やロシア、タイに輸出している。
品質が良くなったので輸出は可能になったけれど、さて日本の生産者や試験場の様に新品種を作り出すとか改良するのは恐らく無理でしょう。

・ロンガンに似ているがかすかにドリアンの味がする果実!?

最近こんな果物が売られているという。ロンガンの新品種だとかで多くの人がこの独特な味を求め、価格は高いのに人気があるという。一般のロンガンより数十倍も高価で、1キロ220~250万VNDもするから驚きます。
この果物、紫色の皮でかなり厚く固いけれど、果肉は透明な黄色でジューシー。
ドリアンの香りは強くはなく、かすかに香りがあるけれど、ロンガンの甘さは保っているというもの。
ベトナムに元々あったのではなく、タイが原産地と考えられるとされ、最近にベトナムに持ち込まれて試験栽培がおこなわれているという。この経緯は明らかになっていないけれど、日本のミカンやブドウなどの苗やほんの僅かの欠片でも違法に盗まれて培養されている位なので、持ちだされたものなのかだが、これと言った証拠はありません。
だが樹木そのものは作られていないので?とよく分らないが、生産量は限られ、収穫量もごくわずかなので市場に出まわることは殆どないという。この希少性が価格を押し上げている要因になっている。
一部の事業者では、現在収穫される果実は試験的に新しい果実を食べてみたいという顧客に向けられているとあるので、正式に命名された訳ではないけれど、ドリアンロンガン、なんていう名称に興味を持って購入してみようというだけ。
SNSでは200万VNDもする果実ということで、紫色の果実の写真と多くのコメントで溢れているとあるが、紹介されたモノと同じかという興味から、実際に試してみたいという人が多いとあるから、いわば野次馬的な話題の提供。
果物業界では、最近海外で開発され輸入された新しい果物の品種が頻繁に登場して人気があるという。まさに日本人が普段口に出来ないトロピカルフルーツをいりいろと現地で食するのと同じで、見た目が異なる、珍しい味、限られた在庫しかないものは、顧客の間で注目されているとある。
また海外に出かける機会が増えたため、ベトナム人が知らなかった果実、特に緯度の高い気温が低い地域の果物に人気がある様です。
しかし、このドリアンロンガンの価格も長期的なものではなく、栽培が成功して希少性がなくなり、誰もが普段から口に入るだけの生産が行われるならば、価格は下がって行くとしています。

株式会社VACコンサルティング 顧問
(IBPC大阪 ベトナムアドバイザー)
木村秀生