ベトナム人は大のタバコ好き。現地で世話になっている知人にとって日本土産で一番喜ばれたのは、日本製タバコだった。筆者はタバコを吸わないけれど、ベトナム産タバコを友人への土産に持ち帰ったが、愛煙家には極めて不評で、臭いがきつくて不味いという。珍しいだけで親切心が仇になっただけの話。
紫煙という言葉があって昭和の時代に純喫茶ではタバコを吸っている人が大勢いた。これは画になったけれどもはや愛煙家は肩身の狭い思いをして吸っているのが今の時代。何しろ他人に影響を及ぼす副流煙が問題になり、これが原因で知らず知らずのうちに愛妻の胸にがんが発生して先立たれたなんて事も実際に有った。ベトナムのタバコにも健康に注意をしましょうなんて記載がある。
日本製タバコでも少し短い両切りの鳩のマーク、群青色のピース缶を愛煙家は好んでいた。祖父もまたヘビーの類で、このピース缶を開けるとほのかな香りがなんとも良かった記憶がある。だが直接ではなくキセルを使用していたので、この掃除は小学生だった私の仕事。紙縒りをつくって穴を通すとしっかり汚れがくっついていた。多分タールなのだろうが、これで彼の肺に入る量が少なくなったのかも知れないけれど、元々半分ほどで吸えばそのまんま。結局肺がんを患った。タバコは害毒、健康には絶対に良くありません。
だがベトナム人、これでもかと吸って吸いまくる。昔の大学生の様に残った葉を集めて紙で包んだシケモクを吸うツワモノもいた。田舎のCafeでは三本を皿に入れて売っており、客の注文があれば運んでいた。一箱を買う金がない客がいたからだが、流石にこれは今では禁止となっている。
知人もまたヘビースモーカーだった。戦争に行った経験者だがこうしなければ精神的にやっていられなかったのだろうが、癖になったのかやめられなかった。奥さんはキライだと顔をしかめるし、子供が傍に居て煙たがるのだが関係なく吸い続けたのです。お陰で部屋の漆喰壁は白さがなく変色していたほど。
保健省が発表した所、ベトナムでは年間10万人がタバコの喫煙によって命を落としているという。この医療費と経済損失は約108兆VND(42億ドル)にもなるという。また日本ほどマナーは良くないので吸えばそのまま道路などに捨ててしまうので、この清掃などを加えると一体いくらになるのか。食堂でも吸殻をテーブルの下に平気で捨てている。言い草は掃除する人が働けるようにと嘯くのだが、蟹の殻に魚の骨、ティッシュまで捨てるのは如何なものか。
さらに副流煙で亡くなるケースもなくはない。そこまで計算できないだろうがこの数字を入れるとなれば死亡者はもっと増えるかも知れません。
保健省傘下のタバコ害防止基金は、先のタバコに拠る損失が公衆衛生と社会・経済発展に深刻な影響を及ぼしているとして、「優秀禁煙ホテル」なんていう賞を創設しているが、この理由はタバコ害防止法の成立から10年経ち、禁煙するホテルが人気を集めているため。世界成人たばこ調査によると、ホテルでの受動喫煙は2020年と比べて14,6%減少したと言われる程の顕著な成果。
少なくても7000種類以上の化学物質と70種類の発番物質を含むタバコの煙は肺がん、心血管疾患、不妊の主原因にもなるとされているので怖いのです。
これまでWHOは禁煙車を減らすため一律タバコ税を促進する様に政府へ提唱。
この理由は所得が増えているのにタバコの値段が安く手に入りやすいのだとしている。統計局のデータでは2022~2023年のベトナムのタバコ生産は10%以上増えている。税を引き上げることは国の収入が増え医療や教育などの分野に投資が出来るメリットがあるとしたのです。ベトナムの喫煙者数は、1500万人、また受動喫煙が330万人もあるので当然の措置でしょう。
・電子タバコ、加熱タバコを使用する若者が急増 薬物混入もあって危険
ベトナムで懸念が広まっているのは、思春期の電子タバコの利用者が急増していることで、この電子タバコ中毒が原因で数千人の若者が入院しており、ことによると昏睡や重度の肺疾患を伴っている。多くの場合、麻薬性物質が混入された製品が関係しているとあるが、こうした問題があるのに増え続けている。
国内で電子タバコ、加熱タバコの使用が増加、2015~2020年にかけて成人の使用は0,2%から3,6%に急増。また13~17歳の生徒の利用は実に高く、2019年から1023年には8,1%にもなっている。
保健省はこの若者の利用の急増する傾向と、健康への影響に深刻な懸念をしているという。これらの製品は健康リスクをもたらすが、ニコチン依存の恐ろしさだけでなく、危惧する事は薬物が混入していることもあって、実際に学生間で中毒の事例が何件も起きているとあります。また公安ではこれらの薬物を含む製品を利用した結果、事件が多発していると報告しており、2023年には当局が86件の事件を起訴したが翌年の第一四半期だけで33件に及び、ほぼ一年で倍にもなっていることを問題視しているのです。
一向に減らないことに業を煮やし、保健省はこれを使用した個人に対し100万~200万VNDの罰金を科す、また再犯者にはその倍額を提案したのです。
こうした努力をした結果だが、ベトナムは電子タバコ、加熱タバコ製品を禁止した。これはASEANで6番目、世界で43か国のひとつとなり、これらは禁止品となり違反した場合処罰される事となったのです。1億~10億VNDという極めて厳しいものになっている。だが我が国は常に甘くて話にならない。
株式会社VACコンサルティング 顧問
(IBPC大阪 ベトナムアドバイザー)
木村秀生