・技術時代に於いて外国語を学習する97,4%の学生はAIを利用しており、スコアは上昇しているけれど、学生の言語思考は麻痺しているという問題
日本の大学でも問題になっているのが、論文を書く時にAIに頼っている学生が多くなった。自分で執筆していないことは見れば分かると教授は語っており、もしそうなら単位を認めないとの見解が出ていました。
本を読まず、考えるとか悩むこともなく、AIでほぼ瞬時に出来上がる訳だが、多くの学生の論文を見ているとほぼ同じ内容になっているのだから直ぐ分かる。
東京の女子学生が卒論を書くのに選んだのが、ベトナムの医療に関する事情とかで、アジアでボランティアを経験して興味を持っていた。さらにベトナムにも来てより一層アジアの医療事情に興味を持ったとある。そこで筆者が属する日本ベトナム友好協会に何らかの情報を求めて来たので、これまで書き溜めてきたコラムや資料でベトナム医療に関するものを、京都支部を通じて提出した。なんとも難しいテーマを選択したのかと思ったけれど、具体的な事象は現地や現場で長い滞在期間中に体験しなければ分らないことばかり。まして都市部と地方との格差など調査に赴いたところで見えてこない。病院でヒアリング調査をするにしても事前に許可を摂る必要があるし、通訳を雇わなければいけないので費用が掛かり過ぎる。統計が出ていても信じられるのかどうか分らないし、資料等が簡単に検索できる状況にはなく、かなりハードな作業になります。
しかし50年以上前に自分は此処まで真剣になっていたのだろうかと考えた。当時はネットなど無いので参考文献を読まなければ書けなかったし、原稿用紙に手書き。何とも難しいテーマに挑むこの方の熱意は感じ取れたという次第。
ベトナムの経済紙にはデジタル経済という項目があって、この中にあったのが学生の論文にAIを活用しているのが殆どという嘆かわしい数字が出ていた。
何もベトナムだけではなく、世界中で問題になっているのがAIをいとも簡単に利用し、自ら考えない。こうなると脳は萎縮するだけでなく何かトラブルがあっても自力で解決できる能力がもはや退化、失われている。という問題です。
記事にはAIの乱用は時間と共に徐々に麻痺してゆく言語的思考を持つ世代を生み成しているともある。だがそれだけではなく日々の生活でも便利さを優先する事で、人間が本来的に持っているアナログ的な生存に関するあらゆる能力が失われ復活できなくなる可能性が高いのではと考えられます。麻痺するということは不随を意味する。一旦麻薬を使用すれば余程の強い意志が無ければ辞められず徐々に廃人となって行く。これと同じように思考がAIに支配される状況になる可能性がある危険性を孕んでいるという訳です。
・トーキングナンバーズ
ベトナム国家大学ハノイ校・外国語大学の部長であるニャ博士は、AIを制御不能に使うと学習者は提案に依存する事に成り、思考や自己表現の能力が徐々に低下し、創造的能力が弱くなってくる。テクノロジーの誤った使用が学習の質を低下させるだけでなく、学習者本来の思考力を損なうと強調した。
これはこれまでにも懸念や危惧をされ、予測もされていた事項であり、顕在化したという外ありません。所詮は機械であるけれど時には人の考えも凌駕するということは、組み込まれた量はとんでもなく大量であり、夫々の課題や質問には周到な回答が出て来る。だがそこには危険な落とし穴もあるのに違いない。
これ等の事実は、ヴァン・ヒエン大学が発表した学内での外国語学習に於けるAIの影響に関する研究に拠ると、最大97,4%の学生が支援ツールとして学習過程で使っているということから判明した。しかも支援が余りにも簡単すぎると問題を指摘されているけれど、依存傾向は困難に直面したくないというデジタルに於ける逃避地を生み出す結果になったとしている。
さらにハノイ大学でドイツ語を専攻する学生は過去3年間学習支援にチャットボットを使ってきたが、機械が余りにも上手に処理してくれるので、ついつい怠け癖が付いてしまったという。こうなると増々思考が停止する。
この結果、現在の状況にどのような変化が現れたのか。学生のスコアは安定しているけれど、実際の言語能力は低下している。即ちAIが執筆、訂正、翻訳を行うと学習者は複雑な構文に格闘する機会が無意識のうちに奪われてしまい、乱用をし続けると自己学習する学生よりも、著しくスキルが劣ってしまっていることが判明した。語彙力が低下、暗記や論理的思考が損なわれ、もはや脳は言語を絞り出す必要など無くなる訳で、これでは神経が強化されず、画面から離れてしまうと学生は沈黙してしまう。この傾向は機械を操作するのが得意な学生を生み出しているけれど、実際に外国語を学習する習得力を失くしている。
・機会的な完璧さの罠
調査で注目すべきは能力の幻想である。AIを使えば学生は完璧な文法で文章を書き、流暢な文脈を完成することが可能。しかしこの完璧さは害毒とする。
確かに学生が成長するために直面する知識のギャップを補う事は出来る。言語を学習する過程で文法や構文の間違いは避けられないが、誤りを訂正する事で能はこれを深く記憶している。だがAIが誤りを訂正すると学習者はこの重要なステップを飛ばし、結果は知っているけれどプロセスを理解していない状況になるのです。AI生成のテキストはしばしば工業的で、言語の塊である個人的で感情的な要素が欠けているのです。
即ち思考にAIの間違った利用は言語能力に影響を与えるだけでなく、長期的に学問に脅威を齎すという。つまりは学生の能動的思考の退化をさらに明確にしたのが先の調査で、97,4%のもの人が受けたマイナスの影響の証明です。
分析し、情報を統合し、個人的な議論を構築するという重要なスキルは徐々にアルゴリズム化されつつあり、多くの学生が論文を書くときに不安を感じると認めているけれど、これは認知的自立の後退であるとしています。
この罠から抜け出すのに変革が必要。AIは代替品では無くコントロールするべきで積極的にこれを行うべきで検証するツールに変えることが重要。外国語は表現のスキルであり、機械処理を行う入力データ作業ではない。足枷として思考を縛られるのではなく読み書きや議論を直接的に対面で行なう、こうして外国語は初めて脳の一部に組み込む事が出来る訳で、無機質なAIが作成したのは言葉ではない。人間の能だからこそ齟齬や違いが生まれるのだが、何れにしても自ら現場を体験、失敗することで人は強くなり成長して行けるのです。
・アルゴリズムは意思決定のプロセスで重要な一部になっている
近年のSNS、写真で溢れかえっている。素人写真家が溢れる観光地から写真を撮るためだけの料理があるレストランまで、人の世界の探索がいとも簡単にできる世の中。しかしこれらは自分自身では体験できない。何れのビーチでも今や泳ぐとか、水と戯れて体で覚えて形成されるものではなく、今では動画を撮影する携帯で満ちている。飲み物も如何にも美味しそうで綺麗だが映え狙い。
これが必見となっているのは今の世の中。多くの人は同じ写真を見ているだけ、もはや自分なりの方法で行きたい場所を探そうとせず流されるだけ。デジタルプラットフォームが見るべき、とする烏合の群れの考えに従わされている。
自然が好きな学生は、残念なのは観光客の増加ではなく目的地の変化で、多くの人は動画を採るために訪れているだけで、即ちアルゴリズムに奉仕しているだけのもの。こうした現象は観る映画、食べ物、書籍に購入する商品すべてに言えることで、選択肢がAIを使った推薦システムで形成されている。
コーネル大学の研究ではSNSに掲載された旅行推薦システムに関してだが、アルゴリズムが意思決定の重要過程を占めこれは多岐に渡っている。これから増々パーソナライズされユーザーの行動に直接影響を与える可能性がある傾向にあるとされている。回答するが正解かどうか分らない、に惑わされている。
人は積極的に動いて情報を探すのではなく、事前に選択された情報を受け取るだけの傾向にあるという。もはやツールではなく意思決定に踏み込む状況。
調査ではAIを使う人の割合が増え、2025年には二年間で倍増したが、人々の生活の一部に成りつつあるのが事実。AIが提案し、人は最適な選択だと勘違いするけれど、実は人間に適応を強いているだけとあります。
そこには未知への恐れとか、期待感や誘惑に胸をときめかせる事なく、作られた虚像に納得しているだけなので、多くの場合過剰感で失望してしまう。
造られた美しさで本当の文化的、自然の価値でなく動画の為の舞台でしかなく、登場するカフェでは飲み物やカラフルな料理の質より写真に多額の投資をして客を待っている歪な状況が生まれている。
これは人間がアルゴリズムの優先順位に合わせた行動を徐々に支配されている例としているが、AIを支援ツールとして使っているのか、それともAIに意思決定を委ねることになるのかは重要な問題であるとしている。だが問題はAI自体にあるのではなく、最終決定を如何に自身で下すことが出来るかです。
・なぜ多くの企業はAIから真の価値を得られないのか
AIには様々な問題があるけれど、利用を否定するものではなく、近年企業はメリットがあるとして、戦略にAIを優先的に取り入れている傾向にある。
だが最大の課題とは、実験的な領域から実際の運用に移してスケールアップし、測定が可能な成果が生み出せることが出来るのかとしています。全てをAIが変える、と考えているけれど、重要なことは仮想空間ではなく現実社会で運用する時にAIはどのように機能するかであり、実験の段階ではなく成果とある。
しかしAIは何処の世界でも発展期にあるが、価値を生み出すのを妨げる要因として4つあると指摘されるという。
一番目は概念実証と言われる。AIの多くは技術力の実証やその目的で作られているが、大規模な展開計画は無いという。その結果、実験段階を経ても事業に大きな影響を与えることが現在の所はないとされている。
二番目、採用率が低い。投資はするけれど従業員が日常の業務にどう組み込むかが不明確で使いこなせていない。定期的に使っていないのが現実という。
三番目、AIがトレンドになる中で需要を上回る技術が現状。特定のビジネス問題を解決するよりも、取り残されることを恐れてAIを実施しているだけ。
四番目、投資効率に問題がある。しかし導入は必然的でありが、技術インフラ、膨大なデータ、人材が必要になるなど多大な資源が必要となるとしている。
企業が導入することをためらうのは、こうした費用の負担が大きいというだけでなく、また技術的にそれほど大きなものでなく、ほぼ80%が人とプロセスにあるとしている。企業は最適化と最大化を図るためにアプローチを変えるのが良いとしています。AIの進化はさらに続くけれど、単なる触媒かも知れないが、ベトナムの様に積極的に政府が導入を促進するのであれば、応用は極めて可能性が高いため、価値を生み出すのは企業や組織の変革に懸かっているとシュナイダー電機の役員は語っている。
株式会社VACコンサルティング 顧問
(IBPC大阪 ベトナムアドバイザー)
木村秀生