4Lとは何か

2019年12月19日(木)

4Lという呼び方がある様ですが、実は日本企業の海外視察を皮肉ったもの。
視察を応諾する現地企業は、日本企業と取引をしたい。ということで好意的に受けてくれる所は多くありました。特にローカルで海外からの視察慣れしていない企業は「えっ!うちでいいの」なんて歓迎し社長自ら案内。ご丁寧に名物料理のレストランを予約してあり、視察後に食事に招かれることも往々にしてありました。もちろん期待感はありますが、我々としては心苦しく思うのです。
なぜか?
だがこのところ視察を断る企業が多くなってきていると感じます。この理由が、まさに4L。即ちLOOK、LISTEN、LEARN、LEAVEの頭文字のL。受ける側にメリットが無いという象徴の表現なのです。何の連絡もない、時間が掛かり過ぎる、というのが一致した評価です。
多くの日系企業が現地企業を視察に訪問するが、文字通り「視て、聞いて、学んで、帰る」だけというのが相場。確かに熱心に工場を見て回り、質問をしてノートに記録する。話に感心して帰る際には全員で写真、有難うと土産を渡すが、参加するだけでは意義はありません。
これを何回か繰り返してきました。しかし現地の公的機関と一緒になって企業マッチングをしても成果が出る事は多くはありません。製品も気に入り、波長が合って翌日には工場視察も無くはないが臨機応変を考えない。スケジュールからはみ出ることがない日本企業。
海外進出にはリスクが付きもの。なので、一旦持ち帰るのは担当者としてはやむを得ない。実際に思っていたほどの製品が出来ない、要求するレベルに達していない、などの理由も無い訳ではありません。だが完全無欠などあり得ないのです。
製造業でも利点を見るより、目についた隘路や自社との格差ばかりをあら探し。一緒にやりましょうとか、あるいは後日に連絡して再度訪問など滅多にありません。確かに日系企業としてはワン・オブ・ゼム、他にも候補は沢山ある。
しかしアテンドする側にとって、これが度重なるのは災難。またお願いします、とは言えなくなるのです。大学の同級生とか何らかの強くて深いコネクションがあればいいけれど、単なる儀式になってしまえば堪忍袋の緒は切れる。
これに対して中国企業や創業者経営者は行動と結論が早い。キーパーソンが来て気に入り問題なければ早々と決める。例えば工業団地などは予定の規模以上を契約、その代わり交渉が上手くて値切りたおす。必要でなければ余剰部分は売ってしまうという訳で、石橋は飛び越えるのです。
これに対し日本企業は堅実に計画通り。きちんと約束を守り、事業が拡大すればその都度購入。ということで場所が離れて効率が悪く、中には同じ団地内に5つも工場がある会社も。時間が経てば価格が値上がりする、さらに為替が変動すれば屋上屋を重ねることもあるが、これを予測しない。
コンプライアンスに何かミスれば責任問題、株主訴訟が怖い。慎重過ぎて石橋を叩いて割ることさえある。
小さく始めて、大きく成長がセオリーの様になっているけれど、全てがこういう前提ではありません。夫々の業種を同列には扱えません。慎重かつ果敢に、という言葉もあるが横並びに安堵する。
それどころか事前の調べもなくイキナリ本番。これは幾ら何でもダメでしょう。
反対に会社のトップが訪問を重ねて進出を進めたけれど、役員会で否決というケースもありますが、自ら現場や機を観ず、講釈師の類のセミナーを聴くだけでは良案は出てきません。

株式会社VACコンサルティング 顧問
(IBPC大阪 ベトナムアドバイザー)
木村秀生

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