・日系流通企業が進出
高島屋がHCM市にオープンしてから早くも4年が経ってしまいました。
それまでデパートは幾つかあったが撤退。此処も赤字が続いているそうだし、客は一見沢山みかけても高級品は買わず見るだけで満足。しかし正面玄関は涼しく待ち合わせの場としてよく利用されている。また店内は明るく、日本製品も多いうえ日本の食堂が入り、パンや菓子なども有名店で安心して購入できるのは嬉しい。店員も地場よりマナーはマシ。
スーパーはジャスコが12月4日新規開店のハイフォン店を入れ6店を展開。日本製の商品も多くダイソーにDIYのコーナンが入店する所もある。地場より催事は多く遊び心を満たす演出も楽しいが、場所が良くなくテナントの出入りは頻繁で課題があると聞きます。
さて日常の買い物に利用するCOOPマート。名前はCOOPだが日本の生協とは別物。法律に拠るもので無く単なるスーパー。出資の必要はないが期末に利用高に応じて配当が貰えるし、誕生日やテトなどはプレゼントがありました。
日本人観光客が買い物に訪れるのもこのCOOP。かつてグエン・フエ通りとレ・ロイ通りの角にあった店は流行っていたが、地下鉄工事で撤去されて既になく、案内されるのはグエン・ディン・チュウの店。観光客は予め何を買うのか決めている様だが、生活必需品や日用品を求めるとなれば訳は異なります。
・現地の実態
先ずは万引き防止のため、持ち物は出入口のロッカーか担当者に預け番号札を貰う事になっていてガードマンが見張っています。時折、奥の方にある品物を忘れて帰ることがあり、これは要注意。
当地のスーパーでは一部の外資系を除き、地場は青果など市場風の量り売り。予めパッケージングして均一価格なんて合理性はありません。客も客、品物を選んで袋に入れて専用レジへ持っていくが、要らなければ丁寧に扱わないので傷んでしまう。注意して買わないとババを掴む。
肉は日本のような薄切りはしていません。塊の状態で重さを計って支払います。かつて日本人の友人がこれをして宅配したところ好評のため直ぐに売り切れ。
鶏肉も同じく部位に切り分けておらず、市場では丸一羽、スーパーならモモかムネの冷凍肉塊を買う。牛豚ミンチ肉はその場でしてくれるので値段は同じ。魚は二枚や三枚におろすなどの器用な調理は出来ず、ブツ切りか精々背越し。問題なのは冷蔵保存状態が良くなく鮮度が保たれていないこと。
肉・魚は指さしでOK。これはいいが、此処ではキロ単位の価格設定。その場でいちいち計るので時間帯によっては長蛇の列。そこにまたまた国民性、並ぶという概念が無く我先にと割り込んでくる。
こういうマナー違反は誰もがやって相見互いなのか注意しない。待たせる方もこれまた平気、レジを増やすとかどれだけ待たせるといけないかと言う思考は全くないが、極めてアバウトな割に銭勘定だけはキッチリ、シッカリお取立て。
店員はお客が居ようが関係なく自分優先。トラブルがあれば逃げまくる。問題があっても言い訳ばっかり。学習効果なんて期待してはいけません。まだまだ未成熟なサービス精神。日本の提携先もサジを投げると聞きます。
流通業に従事する以上は基本中の基本、マーケティングを研究しろと言いたい。どうすれば客が喜ぶか、売り上げを上げられるのか考えない。店長でさえCSを知らないし、CSRなんて耳にしたこともなし。文化成熟度の差なのか。
・不良品が混じるので購入前に必ずチェックすべきこと
不良品でさえも安くして売れば良いという感覚。「アラ、えらく安いのね」と、近所でお店を経営する日本のご婦人が近所のスーパーで買った目覚まし時計。だが針が2本だけ。よく見ると目覚まし用の赤い針が下に落ちているではありませんか。その場に居合わせた全員「だから安いのか!」と妙に納得。知ってか知らずに売ったのか疑問だが、天晴と怒る気もしません。
壊れていても一旦買うと交換は簡単に応じてくれずに「あんたが壊したのだ」。いくら何でも「これは不良品です。だから安いのです」なんて当然いわない。どんな商品でも購入時には問題が無いか良く注意しなくてはいけません。
ここでは買った者が悪いのです。調べなかった方がイケナイ。完全無欠の典型的A型日本人には耐えられないことでしょうが、ここは途上国、箱から出してまでチェックしまくるベトナム人はもしかすると正解です。
人参、玉ネギ、芋、法蓮草など根菜類、南国の果物もみな同じ。痛んでいても腐っていても、冷凍食品がフニャフニャでも、社員が商品をこまめにチェックなどしません。お飾り物の高価なPOSシステム。
我々も問屋から運んできたダンボール箱はその場で開け全ての商品を調べる。割れている、傷がある、凹んでいるなど正直に言う筈などあり得ないので自己防衛。この理由、殆どはバイクで運搬するため途中で落としたとか転ぶことはよくあるが、途中で何が起きたか判らない。責任はドライバー、買い取らないといけないので絶対に黙っている。一旦引き取ると購入側の責任になり返品は効かない。日本の様に段ボールが凹むと返品するとかB級品扱いは異常です。
・中身が偽物に入れ替わっていた
外側は本物、中身が違っていたなど、何があるか知れません。
ある日本人宅へエアコン修理に行った時の実話。本人はセールで安く買ったと思っている。だが何と外側のカバーは新品でも中身は中古品に入れ替えてある。
日本人には信じられない小細工をするのは、一般の人は機械が分からないため。そこがつけ目です。
現地の人でさえ携帯電話、PC、電気製品の修理には注意を払う。修理に出すと高級品は部品取りされ、代わりにB級部品にすり替えることもある。
ここでは良い部品は高く~高く買取ります。金プラチナだけではありません。というので、商品は絶対に安心できると思える処で買いましょう!
土産物屋でも必ず中身を調べること、その場で必ずチェックするのが大切です。安物買いは銭失い。
株式会社VACコンサルティング 顧問
(IBPC大阪 ベトナムアドバイザー)
木村秀生