ベトナム農業 政府目標と方針 課題もある

2019年8月22日(木)

ベトナムは2030年を目途に世界の農業大国15カ国のひとつになり、また農産加工品分野で世界のトップ10に入るとともに、農産品流通分野では世界のロジスティックセンターになるとの目標を掲げました。達成するには年平均3%の成長と、農産物輸出の伸びは6~8%2030年まで継続が必要です。
政府はこのため、農業の持続的開発、科学技術導入、生産性向上を課題としており、関係する企業に中心的な役割を担うよう求めています。
ベトナムは6月にEUとFTAを締結。さらにTPP11にも加盟していて、これらの自由貿易協定発効により、自国産農産物と加工品の輸出が急速に増えることを期待しています。
農業農村開発省は、2018年の輸出額が402億ドル、2019年の農産物輸出目標を430億ドルと発表しています。決して高い目標ではありませんが、
ベトナムはこのところ生産過程での連携強化、農作物の加工が進んできており、近い将来に輸出高は上がると考えられます。また海外取引が増えるに連れて、外国の厳しい品質基準や残留農薬などの検査にクリアできるほど経験を積み、この成功体験と利益享受が輸出企業や生産農家、協同生産組合に大きな活力を与えているのが実情です。
日本にも野菜などの農産物が近年輸出されていますが、これ等は日本側の技術指導を受け、生産者は灌漑設備を設け、科学的に適正な水や肥料を与え、従来行なわなかった間引きや摘果などの知識を習得。また色・形などを揃えるとか糖度検査、安全基準を守り原材料にまで拘るなど、安定した品質と供給態勢と納期厳守で信頼を得て、継続した生産と輸出が可能になり、量的にも質的にも拡大してきているのが実態です。
こうした意識改革が重要であることを、海外留学した大学の先生が真剣に実地指導を行なってもなかなか実を結びませんでしたが、最近ようやく生産農家などが理解し始めたと考えます。それまでは優秀な教員や人材が居ても、従来の安閑とした方法で作ればいいと一向に進歩がない農民のイメージから栽培へと脱却し、商品としての農作物を育て改善してきた成果といえます。元来優秀な研究者は多く、海外の博士号を持つ人材も多く輩出しているので、今後徐々に農産物は多角的に増え、品質もより良くなってゆくであろうと推測します。
また、加工や輸出を行なう事業者にもビジネスとしての意識が高まってきた様に感じます。海外へ留学した人や、帰郷したベト僑に外国人が近代農法と加工技術を取り入れています。
生産者もブランド化に目覚め、バルクで安価に輸出され海外ブランドにラベルが張り替えられた商品にも、ベトナム産ブランドとして堂々と輸出されるようになっている機会が増大。こうした意識変化が自信に繋がっているのです。
政府は農業分野への投資が増加傾向にあると報告。2018年には企業が農業生産・加工分野へ8兆7千億VNDを投資、加工工場が17ヶ所新規稼動した例を挙げています。農業分野への投資効率は高くないとされますが、長期的には世界人口が増え食糧増産は必至。自由貿易の効果と優位性は絶大です。
しかし課題はまだ残っており、バリューチェーン整備と構築、地域間、企業間での経営力と加工・品質能力、ブランド化などバラバラで格差もある。国際化が進む中で輸出先の事情確認や情報収集が不足しているなど、どのように進化すべきか本当の貿易実務は始まったばかり。真価を問われるのはまだまだ先といえます。

株式会社VACコンサルティング 顧問
(IBPC大阪 ベトナムアドバイザー)
木村秀生

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