現地で(進出してから)してはいけない7か条

2022年1月21日(金)

COVID-19感染禍で減少したとはいえ、ベトナムへの投資は結構動きがあります。
新規投資は入国制限などでほぼ半減。減少するのはやむを得ないが、追加投資が相次ぎ特に大型案件が目立ちます。
日本企業の投資はシンガポール、韓国に次いで3位。いずれも前年同期を上回っている。ただし迂回融資があるので正確とは言い切れません。
また投資件数は韓国452件、中国233件、日本が222件の順だが一案件ごとの投資額をみると韓中両国の規模の小さいことが分ります。
急激な経済の落ち込みを何とか回復したいのは山々。フーコック島への外国人観光客のワクチン接種を条件に認める方向だが、外国投資で経済が成り立っているベトナム。収束の見通しがつけば堰を切っての歓迎は想像に難くない。
失業率も増えている。仕事を求めて地方から都会へ順次働きに戻って来ます。
かつての賑わいが何時、何処まで元に戻るか不詳ではあるが、日本企業も待ちに待っている所も多いはず。今から進出計画、準備を始めても遅くはないが、焦りは厳禁。十分先例を研究、下調べをして臨むことが肝要だと考えます。

  1. 金銭の貸し借りをしてはいけない 優しさが過ぎる日本人
    古今東西共通するが、金の貸し借りは額に関係なく信用を失い諍いの原因となる事が多い。日本人が借りるのは稀にあるが、此処では金を貸すとしましょう。
    親しくなれば暫くすると金を貸して欲しいとせがまれる事は結構あり、ほぼ誰もが経験する。ダメ元なので気にも掛けずに言ってくるのは民族性。
    バイクを買う、田舎の母親が病気など様々に繕い、帰国した人にまで電話した女傑も居るが女の涙を信じてはいけない。取り分けシングルはのめり込まない事。交遊関係でこの話が出れば、あっ、来た!と断ればいいだけ。
    恥の文化はなく、親切心が仇となり十中八九戻ってくる事はあり得ず裏切られるのは茶飯事。共同経営では会社や借りた金は自分のもの、許可も見境もなく勝手に資金を使うため信頼度は低く鬼になって然るべき。駄目なら早々に縁を切るのが正解。先人曰く、円の切れ目は縁の切れ目。
    因みに割り勘はしません。

  2. やたら相手を信用してはいけない
    多くの日本人は相手を疑うことを識りません。親切というか、お人好しか、悪く思われたくないのか、見透かされています。
    幾つも事例はあるが、話を鵜吞みにせず自分の眼で確かめる。疑義があれば
    須らく裏を取るのは当然、失礼ではない。個人だけでなく企業人でも同じく任務より自己の利益を優先する。だがこれは現地だけでなく、邦人の場合はタチが悪い。美味しい話には必ず毒があり輩はカモを探して虎視眈々。
    念書とかの書類を当てにしてはいけません。現地でも公証役場で公正証書を巻く事はあるが、海外故にコトが起きれば何ともできないのが実態です。
    君子危うきに近づいてはならない、相手は役者が何枚も上だと心得る。

  3. 他社・他人と比較してはいけない
    夫々の事情や立場が違うので、何でもかんでも上下目線で見てはいけません。
    自分なりの尺度を持つことが肝心。進出している企業間の格差は結構あっても考えるだけ無駄の骨頂。様々な隘路や面白くない事など山とあり、程度の差はあるけど誰もが苦労している。折角の海外、如何に楽しむか考える方が得策。それでも信頼できる人はいるし、価値観を共有できる人脈こそ大切に。
    嫌々赴任を悟られるのは問題で必ず態度や言葉に出て来る。現地スタッフにそっぽをむかれると二進も三進もいかない事になります。

  4. 群れてはいけない
    日本人の経営する食堂に三々五々グチ仲間が集まり、日がな散々こき下ろし安心、喜々とする烏合の暇人。日本から来た人も飛び入り参戦しネガティブに酔ってご満悦。狭い日本人邑、噂は電波の如く拡散する。ロクでもないことに巻き込まれるだけで、一歩たりとも進化しません。
    ある時、後輩が催行する朝7時から月一回の朝食会とやらがあって、交歓会とか称しVN若葉マークの人たちが集まる。これに出てくれとあった。要は現地の事情、歴史や文化を事前に調べていないために知りたくてウズウズ。何かと近寄ってくるので煩わしい。教えを請いたい一心だろうが何の役にも立たない。情報が必要なら然るべき費用を払ってコンサルを依頼すること。安全安心は金で買う、情報はタダでなく人脈と経験の積み重ね。他人の褌では相撲を取ってはならないことと知るべし。
    とはいえ、外国人が殆んど居ない地域で生活をするには住民と仲良くしなければ難しい。地元の公安へ届け出をしなければチクられる。自分で食事を作るなら路面店などの主人と顔馴染みになるのが良い。隠れ家的CAFÉやPHO屋、散髪、バイク修理など行きつけの店を持てば楽しい。言葉の上手下手は関係ありません。
    何かしらのコミュニティーに機会があれば参加すべし。たまには家庭の味をご馳走になるのもいい。

  5. 多額の金銭・金目の物、パスポートを持ち歩いてはいけない
    街中にはスリが横行。現地の人でさえネックレスなどバイクに乗った2人組に引きちぎられた事件がある。同僚は首筋に残った赤い傷を見せてくれたが、死亡者も出る位。暗がりでは時計金品を盗られた邦人もいるので、一人歩きは危険です。財布をみだりに出すのは盗ってくれという様なもの。高級時計や宝飾品も身に付けてはいけません。

  6. 虎穴に入ってはいけない 喰われてしまい出て来られない
    気の緩みは恐ろしい。海外危険情報にもあるが儲け話や甘い囁きでカードや博打に誘ってくる。家に入れば絶対に帰してくれず、身ぐるみはがされ丸裸。
    容赦は一切しない。一度お誘いにあったが危険と脳が発して断った。
    怪しげな散髪屋やビリヤードでは奥に行けば隠し別室、階上に部屋が用意されている場合があり、要は春をひさいでいる。万一捕まると新聞に写真が出て会社や氏名まで公表される上に罰金。もう仕事も生活もできなくなる。
    かつて公安の上の人が経営する置屋があり、此処は安全だと話題であったが、もはやこんなバカ騒ぎは接待でもやれる時代ではありません。

  7. 喧嘩してはいけない 酒色に吞溺されるな
    サービスアパートの玄関。ある夜、酔っぱらった日本人がタクシーを降りて運転手へ一方的に口撃。支払わないとか言う。定かではないが遠回りをしたとか。とはいえ、当時の7区、回り道は遠かった、と懐メロではないが其処まで出来そうにない場所で、ほぼ難癖だが本人は大柄、運転手は小柄で気が弱そう。結局で合わせた私、まあまあと支払った。誰かいたから良かったがうかつなコトに及ぶと大ごと。
    翌日、何があったか当人は覚えていなかった。日頃の鬱憤を分からなくないが酒に呑まれては何とも締まらない。痩せていても元軍人は腕節が強く危険と現地の人が言う。何しろ死線をくぐった者は強い。
    酔って道端で寝ても誰も介抱しない。どころか気がつけば持ち物はスッカリ無くなるのが常套と経験者は語る。
    外国人が現地の人と喧嘩すると厄介。公安は日本の様に穏やかではなく令状など必要なく、土足で部屋まで上がって来てやりたい放題。裁判でも同じで勝つことはまずありません。下手を打って所払いされるとどうしようもない。

株式会社VACコンサルティング 顧問
(IBPC大阪 ベトナムアドバイザー)
木村秀生