本来これまでのコラムからすると、全く相応しくは無い内容であるけれども、現地でひとつの世相の反映。世はデジタル化社会が発展、これを利用して人の道に背く商売を考える奴が居る、という社会の断面を報じた記事がありました。
かつてはどのベトナム旅行案内本を見ても、ホンダガールには注意すること、なんて記載がありました。ホンダガールとはすでに死語なのかも知れませんが、つまびらかに言えば春をひさいでいる女狐のこと。道路わきにバイクに跨って罠を仕掛けている。厚化粧に丈の短い服を着ているので、直ぐにソレと分かるけれど、カモが来たと思えば親しげに声を掛け、男の顔を見てどこの国かを瞬時に判断。彼の言語で話せばほぼ振り返えるが、異国ならこその必殺得意技。ホンダ＝バイク、というのが理由だが、夜な夜な出没する通りがあります。

だが時としてボッタクリや脅しなど危険な状況になる場合もあって、これまでに日本総領事館のＨＰにも現地での注意事項の中で見たことがある位です。
さらに日本人が御用達の地区にはぺデ（オカマ）も出没。一見して髭ズラも居て気持ち良くはないけれど、これに引っかかる御仁もいるらしいので、世の中どうなっているのか？何れにしても君子危うきに近寄らず、で危機を回避。

もっともこの国でもこうした行為は違法であるけれど、蛇の道は蛇。抜け穴は何処にでも沢山あるけれど、問題は一部に蔓延っている悪質な公安権力です。
釣った魚を何処で料理するかといえば市内中心部のミニホテル。ここは公安に鼻薬を効かせているから絶対手入れしない。もっと酷いのは公安幹部の夫人が経営していたというので完全にお手上げ。だが他市の公安だったのでＨＣＭ市１区の公安に摘発され、新聞などにもでかでかと槍玉にあがっていました。

客の外国人など写真入りで企業名まで公表、多額の罰金を払わされるので注意。
古今東西、男と女が居れば成り立つ最古の商売だし、何処の国や地域にも夜の裏の顔や、道理が及ばない所が存在。だが危険と背中合わせと覚悟すべきです。
また極一部のミニホテルだが、地方から来た若い女の子が在籍。品定めをして徹底的にオアソビが出来る巣窟もある。さらに嫁不足の某国人が嫁選びできる場所になっている所さえある。もっとも二十歳前後とかでそれ以上は不可らしいが、外国語が出来る訳でも、何か特別のコトが出来るというものでもない。ましてや超田舎から出てきてＨＣＭ市みたいな大都会は初めてのウブな子猫。もちろん何のために此処にいるのか分かっているけれど、彼の国の事など全く知らない。来る方も大枚を払い、ピチピチの少しでも綺麗な生娘を選びたい。
ブローカーがお膳立てしているというが、一歩間違えば危険極まる場所なのも事実で、これはベトナムの社会問題にもなっている。
貧困から抜け出し少しでも良い暮しをしたいという願望がある。そこへテレビで放映される某国の生活振りを鵜呑みにし、私もシンデレラに成れると儚い夢を抱き、地元出身者の元花嫁、実はこの嫁集めの手先になっている女の甘言に乗せられ、この人の様な豊かな生活が送れると都合よく勘違い。「集団見合い」に参加している次第です。挙句の果てに騙され「海外」とやらに行って見たがとんでもない超ド級のヒナの村、貧乏家族と苦難が待っていた。朝から晩まで農作業に家事全般、さらに夜の御勤めも家族の男子総出とくる。余りの辛さと暴力に耐えかねて夜逃げして辿り着くのは夜の街。最悪は挙句の果てに自死。
日本でも高齢独身者などを狙って盛んにネットやＳＮＳで発信しており、家をオネダリされ、すっからかんになるまで一族郎党に持ち金をすべからく漁られ、手痛い目に遭い、ほうほうの体で命からがら逃げて来た人も実際に居るのです。
気に入った娘がいたとしてもSOLD OUT。何しろ写真判定なので嘘はつき放題。これに騙されて結婚したいとの下心から骨を抜かれて、数百万円を失う羽目に。

さて、こうした道に長けている御仁など色の匂いをかぎ分けるが如く、敵地に入ると水を得た魚。なぜか艶話を過去に現地へ旅行した人がブログなどで発信。如何にも兵どもが夢の後を語っていたし、ご丁寧に写真付きで場所や値段まで説明している。名誉のため言っておくが多くの若い人は真面目に働いています。
ところがこの所、現地のニュースではこんなチマチマとした相手を狩るのではなく、高級コールガールが居て、その元締めが捕まったともあります。なんと女子学生が多い敵昌への支払いは数百ドル～千ドル単位と書いてあるから驚き。これなどは現地発のニュースにあるためご存じの方も多いかと思います。
そこへきて、先のホンダガールの様な、所謂ストリート売春婦は過去のものになり、今はシュガー・ベイビーとなど呼び、職業を偽り、ソーシャルメディア上でのプライベートグループ、ＺＡＬＯや他のプラットフォームを利用して、ターゲットとなる顧客にアプローチしているとの記事がありました。
このところ取り締まりが厳しく、もはや路上では勧誘をしない。仲介者が居て好きな時に稼ぎ、何時でも辞めることが出来るシステムとあります。
ＨＣＭ市の公安当局も問題視しているが、ますます人気が上っていてシュガーというのは隠語で売春斡旋、なるほど甘い子。コミュニケーションなどは簡単にとれている様だとしている。公安のサイバー担当者はこのオンライン利用に匿名性と利便性が高いので、女性はリスクを抱えるが儲けは多く急速に蔓延していると指摘。しかし最近多くを削除し個人認証を厳しく強化するとしているが、次の新手が出て来るので果たして効果の程は。
何しろ月６～８回のお相手で８百万～１千万ＶＮＤ（５万円～６、７万円）が楽に稼げ、手数料を１５～２０％払うだけ。時にはヴィラ、アパート、船など豪華な所へも行ける魅力。直接交渉は出来ないが、あと腐れも無いのはいい。
かつて見惚れた清楚なアオザイ娘でなく、思い込むと裏切られる。全てゲーム感覚だが身を護るためチャット履歴とプロファイルを削除するし、写真も送らない。振り込みも偽装口座から斡旋業者を経ずに処理できるという繰り返しで、公安とはまさにイタチごっこ。だがどこか蝕まれ後悔するに違いありません。
さらに発展してこの国でもパパ活が幅を利かせているみたいとの記事もある。要は地方からの学生が学費や生活費に困った末のこととあるが、止むにやまれないのか、または快感を覚えて戻れなくなったのか。互いの身元は漏らさない約束だが避けられない危険と辛さもあるのは世の習い。
罠に絶対に嵌らない様に。

株式会社VACコンサルティング　顧問
（IBPC大阪 ベトナムアドバイザー）
木村秀生